文章がうまいとは思うけど

四日間の奇蹟 (宝島社文庫)

四日間の奇蹟浅倉卓弥 (宝島社文庫)

第1回『このミステリーがすごい!』大賞・大賞金賞受賞作。映画っぽい作品だな、と思ったら2005年に公開されていて、DVD も出ている。

ある書評家が書いていたことが、ストーリーを小説にするには、それに見合った長さがある。例えば、この本ならば半分の分量でいい。それが率直な感想だった。つまり、ちょっと冗長なのだ。それは物語を盛り上げる味付けであると著者は考えたらからこそこの長さになったのだろうが、物語が動き始めるまでに200ページ以上もあるために飽きてしまった。退屈に感じたもう一つの理由は表現の曖昧さにあると思う。「ある場所」などのはっきりしない表現によって頭の中で具体的な像を結ぶことができず、霧の中にいるのか、はたまた曇った眼鏡を掛けているのかといった状況で、更にイライラを加速させた。