読了

阿房列車―内田百けん集成〈1〉   ちくま文庫

阿房列車 内田百けん集成1」内田百けん著(ちくま文庫)

けんは門構えに月。福武文庫の「第一阿房列車」「第二阿房列車」を持っている(実家にあるはず)のだが、内容的にはこれらの本からの抄録となっている。

ヒマラヤ山系氏をお共に、目的のない汽車旅をする。旅の前にまず旅費を無心に行く下りが好き。そう、百けん先生は借金の名手であった。この本の中で、漱石が病気療養中の折に修善寺まで金を借りにいった話が書かれていた。そういえば啄木も修善寺まで金を借りに行ったことがある。啄木もまた、金を借りる名人であった。

流行作家、高給取りの漱石は、肉親以外の人々も養っていたということか。