政治、選挙小説

ダイスをころがせ!〈上〉 (新潮文庫)

「ダイスをころがせ!(上)」真保裕一 (新潮文庫)

何の後ろ盾も持たない、元新聞記者が衆議院選挙に立候補することを決意した。立候補の決意から、事前活動を続けるところまでが上巻に書かれている。

天知は、青臭い理想を追求して、あくまで正攻法で選挙を戦い抜く。現実の選挙はもっとどろどろしたもので、陰湿な部分も多分にあり、金もかかるということをわかっていながら、作者はあくまで理想に向かって走らせる。

なかなか話が進まないもどかしさがあるものの、真保氏らしいサイドストーリーのうまさもあって引き込まれる小説になっている。